年が明けて早くも2週間が経ちました。本年も宜しくお願いします。
今年、最初のインプラント手術に指名させて頂いたのは80歳の元気ハツラツ女性患者様です。かれこれ20年以上のお付き合いになります。
お口が小さく、アゴも開けづらいため、奥歯の治療はお互い四苦八苦してきましたが、静脈麻酔鎮静を手術に導入してからは「また寝ながら楽にお願いするね!だって怖いんだもん!」とっても可愛い方です。
年齢からも絶対に失敗は許されません。気合十分での新年スタートでした。
昨年(R6年)の4月
「歯茎が腫れてきた。歯がグラグラして抜けそう」で来院。CT撮影の結果、歯根ハセツ及び骨に腫瘍の塊が発症。残念ですが抜歯の選択となりました。
昨年(R6年)の4月
定期的に来ていただいていたのも関わらず、気づくのが遅れて申し訳ないほど骨が大きく侵されていました。
膿の袋を骨から徹底的に剥がし取ります。
昨年(R6年)の4月
事前に患者様には伝えていたので、予定通り骨作りの開始です。
昨年(R6年)の4月
テルプラグを使用して添加した骨を不動にします。
昨年(R6年)の4月
欲しい場所に欲しい分だけの骨を製作します。経験数がものを言います。
昨年(R6年)の4月
添加した人工の骨が崩れないように、血液から13分で製作したコラーゲン皮シートを用いて骨詰め後を異物を使わずに封鎖します。
これが当院の成せる技です。自信を持って完璧な骨の製作が出来ます。
新年スタート 1/6
8ヶ月で骨の造成を確認しました。
血液コラーゲンの中に移植予定のインプラント本体を15分ほど浸けておきます。
インプラントと骨を親和させるのが狙いです。
想像以上に骨質も硬く、15分ほどで手術終了。手応え十分でした。
術後1週間の本日、消毒で来院。「点滴(追加料金なし)でぐっすり眠れたので、全く怖くなかったわ。痛みも腫れもなく、薬も一度も飲まなかったわよ」とのこと。
3月には型取りをして、仮歯を装着する予定にしています。
元気・やる気・Dr.鈴木のコラム
1/15(水)くる年(良心価格インプラント)
カテゴリ:Dr.鈴木日記 インプラント 歯科全般 静脈麻酔鎮静法 骨の最新再生医療
12/31(火)ゆく年(良心価格インプラント)
カテゴリ:Dr.鈴木日記 インプラント 歯科全般 静脈麻酔鎮静法 骨の最新再生医療
R6年最後のインプラント手術。奈良市内の幼稚園の先生。主訴は「 早くインプラントをしたいのですが、お金の事もありますので12月にお願いします」との事でした。
抜歯から1年以上も経っているので、歯と歯の間隔がだんだん狭くなりつつあり心配はしていましたが、20分ほどの手術で無事に移植が完了しました。
当院のインプラント手術では、2回に分ける事なく、余程のことがない限り基本1回です。 2ヶ月後にはインプラントの型取りをスムーズに進めるために、手術日にインプラント本体の上にキャップをつけて終了させます。
切開した歯肉とキャップとの間に隙間が生じないように、血液からコラーゲンをまず作る。そのコラーゲンを圧縮して歯肉のシートを15分で製作します。これを用いて傷口を縫い合せる技が、インプラント成功の秘訣となっています。
これが15分前まで患者様の真っ赤な血液であった事が信じれますか?
これを飛び出たキャップの周囲に敷き詰めます。
骨の柔らかい患者様でしたので、細めのドリル切削に対して、太めのインプラントボディーを移植して強度を高めました。
2ヶ月後、型取りの予定にしています。
本年度、移植したインプラントが誰一人弛むことなく全て成功しました。
数ある歯科医院の中から当院をインプラント施術に選んで頂き、ありがとうございました。
私の作ったインプラント歯が皆様方の日々の食事と大切な健康維持の一助になっていることを信じてしばらく休暇にさせて頂きます。一日一生 院長 鈴木
12/24(火)R6年も三方よしっ!抜歯と同日にインプラント埋め込み成功(インプラント)
カテゴリ:インプラント 歯科全般 静脈麻酔鎮静法 骨の最新再生医療
40代男性、高校野球で有名校の教師。主訴は「ある歯医者で歯周病なので定期的に掃除をして様子を見ましょう!と言われているがスッキリしない。ブルーラジカルをTVで知ったので使ってみたい。」でした。CTで確認すると歯の根が割れている事が判明。歯の掃除やブルーラジカルを使用しても改善は見込めない。つまり抜歯の必要性を伝えた結果、インプラント治療を選択されました。
抜歯と同時に大きな腫瘍の塊を歯槽骨からキレイに剥がし取りました。
残された僅かな骨のエリアを使ってインプラントを移植していきます。
まず、人工骨を崩れないようにコラーゲンに絡めて一塊にして、準備します。
次に御本人のアゴ骨から一部骨を採取して、固形の骨も同時に準備します。
インプラント移植が完了した後、CGFコラーゲンを手術跡にたっぷりカバーしていきます。
キャップをして、縫合して手術は完了しました。
直径7㎜の極太インプラントを移植しました。ノーベル社は直径5.5㎜止まりなのでオステム社のETⅢ-NHに切り替えてインテグレーション(耐震強度)を確保します。
手術から4ヶ月弱の状態です。型取りの準備が整いました。
患者さんに大満足のインプラントが完成しました。噛んでよし!見た目よし!良心価格よし!の「三方よし」 と受付で褒めて下さっていたそうです。
今年もインプラントを100ケースほど施術しましたが、無事に脱落することなく良好な結果になって安心しています。
仮にインプラントがダメになったとしても当院では骨の造成のリカバリーには自信を持っていますので慌てることはまずありません。
2025年も多くの皆様の期待に応えるように努力します。
12/15(日)年配女性の危険な横向き&埋もれた親知らず
カテゴリ:Dr.鈴木日記 ブルーラジカル 歯科全般 親知らず 親知らずを静脈麻酔鎮静法で 静脈麻酔鎮静法
50代の女性。5年前に当院を訪れ、親知らず周囲の痛みの相談を受けるも抜歯の依頼を断った経緯のある患者さん。
理由は「50歳前後の高齢女性の親知らずを抜歯すると違和感が続く確率が高いこと。また横向きの親知らずが全て歯肉に覆われていること」も含めて大学病院での抜歯を勧めしました。
ところが今年、痛みが出てきたので再訪。親知らずの抜歯はされていないまま。また手前の奥歯が動揺(歯周病)もしていました。
5年前よりも条件が悪くなっていたので抜歯の依頼を再度拒みました。
(良かれと思って、保険で鎮静点滴で寝ながら、止血やドライソケット対策のコラーゲンを入れて抜歯を終えたとしても「歯が動き出した!」とか「冷たいものに痛み出した!」などの新たな訴え(これが多い)を避けるためです。)
しかし患者さんは放っておいた自分が悪いので先生に寝ながら保険で抜いて欲しいとの一点張り。
最新のCT画像でより親知らずの形態や横向きの位置を正確に把握出来るようになった事もあり、引き受けることにしました。
施術する以上は全力で取り組みます。
念のためにインプラント移植時に用いるX-ガイドをスタンバイ。歯を削る時に神経を巻き込まないように最新の注意を払います。(Xガイド使用料20,000円は医院負担)
歯周病で侵された歯肉を切り開くと、腫瘍似の組織が張り付いています。
周囲骨を削って親知らずを明示していきます。
歯根先がイビツな事はCT情報から分かっているのでしっかり明示させるために骨を削ります。
じっくり時間をかけて歯の頭の2分割に成功しました。
歯根先に負荷をかけないよう、ゆっくり丁寧に歯を揺すりながら脱臼させるのがコツです。慣れていないと力任せに歯を引き出すために、歯根先を折って残してしまい抜歯の必要以上の時間を要して腫れを増大させてしまったり、最悪全てを取りきれずそのまま放置して抜歯を終える他院のケースに出くわす事もあります。
歯根先が曲がりくねっていました。当然、骨に絡みついて通常の抜歯に比べると脱臼しにくいところですが、経験がモノを言います。力任せに強引に引き抜かず、ゆっくり慎重に揺らしながら少しずつ骨から浮かせせていけば必ず上手くいきます。
1週間後、消毒に来院。最初の5日間は口が開けられず、食事や唾を飲み込むのにも不自由でしたが昨日あたりからマシになってきたとの事。
手前のグラついていた歯も特に問題は無さそうで、親知らずの抜歯だけで済みそうだととても喜んで感謝して頂きました。
抜歯直後、むき出しの骨の上に敷き詰めるCGF(自己血液コラーゲン)の存在は痛みや腫れに対して力をかなり発揮してくれます。
12/07 (土) 歯根ヒビ割れ、アゴ骨の半分ごっそり消失(インプラント)
カテゴリ:Dr.鈴木日記 インプラント ブルーラジカル 歯科全般 親知らずを静脈麻酔鎮静法で 静脈麻酔鎮静法 骨の最新再生医療
50代の生駒市在住、女性。数年前から痛みがあったので梅田の有名歯医者で「根の中の掃除をすればまだ抜かなくても残せる!』と説明され自費治療をしたが、さほど改善せず。最近になって噛めないほどの痛みが発症したため来院されました。グラつきがあり、誰が見ても根が割れていることが分かる状況。「2年前からの痛みは根が割れていたことが原因と思われます。『歯を残せる!』と言われれば誰しもお願いしますよね。抜歯が2年遅れたため、歯根の周囲骨がかなり蝕まれていると思われます。ご希望のインプラント手術に直ぐに取り掛かるのは難しいと思われます。」
抜歯と歯肉の切開をしましたが、予測以上に骨が欠落していました。この時点で、骨作りから始まって、インプラントが完成するまで当院では10ヶ月を要します。
人工骨と本人の骨を移植して欠落した骨の復活を試みました。
自己血液からコラーゲン粘膜を製作して移植した骨の上に密接させて固定します。これがかなり威力を発揮してくれます。当院では骨材料代¥35000円のみの良心価格です。
骨の移植と縫合が完了しました。7ヶ月後にインプラント手術の本番予定にしています。
半年後の状態です。しっかりとした骨が出来上がり、インプラント移植も無事に終わりました。黄色点線の下ふたつのインプラントは10年以上前にされたものでした。
型取り時の状態です。良好です。
上手くインプラントが完成致しました。インプラントを成功させるには強固な骨が支えとなります。「また昔の様に何でもしっかり強く噛めるようになった」と言っていただけてこれ以上の喜びはありません。セカンドオピニオンに指名していただき、当院に転医され、結果も伴って本当に良かったです。
11/01(金)発見が遅れる歯間の接触虫歯はCT映像でチェック
カテゴリ:Dr.鈴木日記 歯科全般
よく見かけるレントゲン(パノラマ)画像だと思います。歯の本数や神経の有無、どの様な種類の被せ物が入っているか、親知らずの生え方など全体的に多くの情報を
得ることが出来ますが、詳細か?と言われると詳細ではありません。
これはCT機器で今年9月に撮った私(鈴木)のレントゲン画像です。右上の一番奥の歯と奥から3番目の歯が虫歯になっていました。欲しい情報場所をスライドさせて診査出来ますのでこの様に発見が遅れがちな歯間の虫歯が鮮明に映し出されます。
早期発見が出来たので只今、同級生の所へ治療に通っているところです。
この方は長期の海外留学に行くので健診で来られました。パッと口の中を見た時は、黒グレー色の虫歯の所見がありませんでしたが、親知らずの状態をチェックするためにCT撮影した時、たまたま虫歯を見つけたケースです。大小4本の虫歯が私同様、歯と歯が接する歯間に存在しました。
親知らずの抜歯やインプラント移植、歯の根の神経を抜く時などに活用されるCT撮影ですが、虫歯の早期発見にもかなり有効的であります。
9/25(水)抜歯中の大量出血 足がすくむが止めなければ(親知らず)
カテゴリ:Dr.鈴木日記 歯科全般 親知らず 親知らずを静脈麻酔鎮静法で 静脈麻酔鎮静法
京都・宇治市より20代の社会人さん。主訴は「長く矯正をしているが、難航している。親知らずの抜歯は矯正終了時でOK!ということだったのに、矯正医より抜歯を求められた。ネットで鈴木歯科を見つけた。是非お願いしたいです。」
正直、お断りしたい画像です。親知らずどころか1本手前の歯も歯肉に半分覆われていますし、口も大きく開けにくそうです。
CTで見た限りのリスクを全てを受け入れるという事でしたので、抜歯を引き受けることにしました。今回はまず右下(向かって左)から行ないます。
静脈麻酔鎮静のもと、抜歯が始りました。CTで事前に埋もれ方を把握していますので、すいすい施術を進めていきます。
覆われた骨を削っていくと、親知らずの頭半分が見えて来ました。ここまで僅か15分程です。
頭半分を摘出して残りの部分の摘出に取り掛かった途端に、大量の出血が。
アゴ骨内の血管を触った模様です(偶発)。
血液が脈拍に合わせて大量に溢れ出てきます。
親知らず周辺は赤い血で染まり、抜歯どころではありません。
肝心の患者さんは静脈麻酔でぐっすり眠られています。
抜歯後に使用するCGF(自己血液由来コラーゲン)が出来上がるまであと5分ほど必要です。それまでは新しいガーゼを交換して、圧迫止血を続けるのみです。
時間が長く感じます。
出来上がったCGFを出血部に挿入する準備が整いました。
コラーゲンCGFを出血部に挿入します。
挿入後、今までの大量出血がウソのようにピタッと止血しました。ようやく冷静になり、そこで自信の脈拍も早いのが分かります。
親知らずにしては3根もあり湾曲したイビツな抜歯が完了しました。
止血にCGFを使用したので、再度採血し直して、新たに大量のCGFを抜いた後の穴に充填しました。
1週間後、消毒に来て下さいましたが、昨日くらいから口も開けれるようになり、食事もしやすくなったとのことでした。
相談に行った歯医者が全て口を揃えて『メチャクチャ難しくて大変やから抜歯せんとこのまま矯正続けた方が身のため』と言われていたが、意外と楽に出来ました。また反対側も御願いします。」とのこと。
私の寿命が縮まった出来事を伝えたところ、ビックリして笑っておられました。
8/28(水)下アゴの骨幅が無く諦めていた歯科衛生士さん(インプラント)
カテゴリ:Dr.鈴木日記 インプラント 歯科全般 静脈麻酔鎮静法
30代の市内の歯科衛生士さん。「20代で奥歯を無くして以来そのまま。前の勤務先でCTを撮ったら骨が薄くてインプラントは難しいと言われた。今の勤務先では簡単なインプラントしかやってないので…。奥歯が無いのは仕事柄、コンプレックス。鈴木先生の症例コラムは以前から見ている。なんとか出来ますか?」
「確かに骨幅は狭いですね。現状のままではインプラントは厳しいので、まずは確実に骨幅を増幅させる所から始めましょうか?」
薄い歯槽骨に1㎜ほどのスレッド(隙間)を設けて、専用のジグでゆっくりゆっくり骨の幅を広げていきます。
イメージは割り箸を力加減を考慮して少しずつ割いていく感じです。
骨が真っ2つに割れることなく、上手く骨幅を拡大させることが出来ました。(この作業がもっとも難関)
コラーゲンで固めた人工骨を広げた隙間の中にギッチリと入れていきます。なかなか大変な細かい作業が続きます。
イメージしていたとおり、上手く骨幅を増大させることが出来ました。
自己血液で作ったCGF(コラーゲン)シートを人工骨の上に何層も敷いて骨の定着を図ります。
7ヶ月後、人工の骨は本物の骨に置換して、カチカチに仕上がっていました。
インプラント移植成功。ギリギリの骨幅の中にインプラントを移植したのとは異なり、インプラントの周囲には骨が余っています。
「インプラントの位置、歯の大きさ、舌感、磨きやすさ、配色、型取りの方法、プロビ(仮歯)のこだわり、どれをとっても一つ一つ丁寧過ぎるくらい丁寧で本当に勉強になりました。インプラントを経験することで、仕事にも良い影響が出ています。本当にありがとうございました。」
私の所に尋ねに来たDr.や衛生士さんには、包み隠さず持てる技術を総て解放していますので、これからも知りたい事があったら遠慮なくお尋ね下さい。改めて良かったね。
8/8(木)歯茎に白い突起物があっても本当に大丈夫!?(インプラント)
カテゴリ:Dr.鈴木日記 インプラント 歯科全般 静脈麻酔鎮静法
滋賀から60代の男性。静脈麻酔を使って親知らずを抜歯した奥様の紹介。去年あたりから歯茎が腫れる。かかりつけ医にはレントゲンで調べても「特に何も写って無いのでこのまま様子を見ましょう。」というが何か異変を感じる。
一般的なレントゲンでは確かに異変は見受けられませんでしたが…。
当院の高性能CTで確認すると、骨の周囲には膿袋が原因で生じる黒い影を確認出来ました。
抜歯をすると、歯根が真っ2つに割れていました。これが膿んでいた原因です。
抜歯穴は大きく広がり、さらに上顎洞へも突き抜けていました。
インプラント施術に備えて急きょ、骨を作る治療まで進めておくことにしました。(待合で待たれたいた奥様と相談して)
6ヶ月後には骨がしっかる出来上がっている様に、完璧な準備が出来ました。
インプラント開始。当院では、吸収性(溶解する)の人工骨を本物の骨に転換させる施術を行っていますので十分な硬さの骨に生まれ変わっていました。
インプラントの移植が上手くいきました。計画通り、バッチリです。
食事をする度に、気にしながら食べていた左上の歯でしたが、ストレスも無くなり、元通りしっかり噛める様になって嬉しい限りです。と喜んで下さいました。ただし、「インプラントの術後、1週間はマジで痛かったわー」とチクリ一言。
もっと快適な術後を私自信が心がけなくてはいけませんね。
7/16(火) 美への追求 麻痺が残ってもいいから抜いて欲しい(親知らず)
カテゴリ:Dr.鈴木日記 親知らず 親知らずを静脈麻酔鎮静法で 静脈麻酔鎮静法
20代、ファッション雑誌の読者モデル。主訴は「 左右で顔の輪郭が違う。左のエラが張っているので、親知らずを抜くと少しはマシになる?と聞いた。あちこちの歯医者に尋ねてみたが、神経が近く危険なため嫌がられ全て断られた。
静脈麻酔アリで抜歯を希望しているが、コラーゲンまで入れてくれる歯医者は何処にもない。腫れるのは嫌だし、入院も厳しいので日帰りを希望している。編集長の紹介で来た。」でした。
CT画像で確認しても、あご骨にほとんど埋もれています。私の感想「本当に抜く必要あるのかな?(私の本音)」でした。
〈CT画像:正面〉
横向きの親知らずの頭を切断する時に神経を傷つけ、麻痺が残ると言われています。アゴ骨の中で、この微妙な短距離は誰が見ても危険極まりないです。
〈CT画像:真横〉
ここでも本音を言いますが、絶対に抜きたくない親知らずの生え方をしています。
「麻痺が残ってもいい」とまで言って下さいますが、絶対に避けなければならないところです。
事前に充分説明した上で「どうしても美しくなりたい!」という気持ちが勝っておられた為、全力で協力することになりました。
歯茎を開くとCT画像で見たとおり、親知らずの端の頭がほんの少しだけ見えました。
親知らずの頭の部分を明示できるように、周囲の骨を削りました。
切削用メジャーを用いて、切断距離に間違いのないよう慎重に削る準備を行い、ノコギリのように切削を進めました。
無事に歯の頭の部分のみ、切断が完了しました。
頭の部分のみ骨から取り出します。
続けて残りの根の部分も取り出すことが出来ました。
抜いた後の骨の穴から、 太い神経が走行しているところを確認しました。
ドライソケットを防ぎ、止血を早め、歯茎の早期回復を狙って、自分の血液を用いて院内でコラーゲンを制作し、それを歯を抜いた穴の中に十分埋め戻しました。
抜歯から2週間経過しましたが、幸いなことに「どこも麻痺が出ることなく、快適に過ごされている」との事でした。
双方かなり緊張して取り組んだ親知らずの難抜歯でしたが、良い結果になってホッとしたところです。