30代の市内の歯科衛生士さん。「20代で奥歯を無くして以来そのまま。前の勤務先でCTを撮ったら骨が薄くてインプラントは難しいと言われた。今の勤務先では簡単なインプラントしかやってないので…。奥歯が無いのは仕事柄、コンプレックス。鈴木先生の症例コラムは以前から見ている。なんとか出来ますか?」
「確かに骨幅は狭いですね。現状のままではインプラントは厳しいので、まずは確実に骨幅を増幅させる所から始めましょうか?」
薄い歯槽骨に1㎜ほどのスレッド(隙間)を設けて、専用のジグでゆっくりゆっくり骨の幅を広げていきます。
イメージは割り箸を力加減を考慮して少しずつ割いていく感じです。
骨が真っ2つに割れることなく、上手く骨幅を拡大させることが出来ました。(この作業がもっとも難関)
コラーゲンで固めた人工骨を広げた隙間の中にギッチリと入れていきます。なかなか大変な細かい作業が続きます。
イメージしていたとおり、上手く骨幅を増大させることが出来ました。
自己血液で作ったCGF(コラーゲン)シートを人工骨の上に何層も敷いて骨の定着を図ります。
7ヶ月後、人工の骨は本物の骨に置換して、カチカチに仕上がっていました。
インプラント移植成功。ギリギリの骨幅の中にインプラントを移植したのとは異なり、インプラントの周囲には骨が余っています。
「インプラントの位置、歯の大きさ、舌感、磨きやすさ、配色、型取りの方法、プロビ(仮歯)のこだわり、どれをとっても一つ一つ丁寧過ぎるくらい丁寧で本当に勉強になりました。インプラントを経験することで、仕事にも良い影響が出ています。本当にありがとうございました。」
私の所に尋ねに来たDr.や衛生士さんには、包み隠さず持てる技術を総て解放していますので、これからも知りたい事があったら遠慮なくお尋ね下さい。改めて良かったね。
元気・やる気・Dr.鈴木のコラム
8/28(水)下アゴの骨幅が無く諦めていた歯科衛生士さん(インプラント)
カテゴリ:Dr.鈴木日記 インプラント 歯科全般 静脈麻酔鎮静法
8/8(木)歯茎に白い突起物があっても本当に大丈夫!?(インプラント)
カテゴリ:Dr.鈴木日記 インプラント 歯科全般 静脈麻酔鎮静法
滋賀から60代の男性。静脈麻酔を使って親知らずを抜歯した奥様の紹介。去年あたりから歯茎が腫れる。かかりつけ医にはレントゲンで調べても「特に何も写って無いのでこのまま様子を見ましょう。」というが何か異変を感じる。
一般的なレントゲンでは確かに異変は見受けられませんでしたが…。
当院の高性能CTで確認すると、骨の周囲には膿袋が原因で生じる黒い影を確認出来ました。
抜歯をすると、歯根が真っ2つに割れていました。これが膿んでいた原因です。
抜歯穴は大きく広がり、さらに上顎洞へも突き抜けていました。
インプラント施術に備えて急きょ、骨を作る治療まで進めておくことにしました。(待合で待たれたいた奥様と相談して)
6ヶ月後には骨がしっかる出来上がっている様に、完璧な準備が出来ました。
インプラント開始。当院では、吸収性(溶解する)の人工骨を本物の骨に転換させる施術を行っていますので十分な硬さの骨に生まれ変わっていました。
インプラントの移植が上手くいきました。計画通り、バッチリです。
食事をする度に、気にしながら食べていた左上の歯でしたが、ストレスも無くなり、元通りしっかり噛める様になって嬉しい限りです。と喜んで下さいました。ただし、「インプラントの術後、1週間はマジで痛かったわー」とチクリ一言。
もっと快適な術後を私自信が心がけなくてはいけませんね。
6/15(土)術後の涙 幾つになっても息子は息子(インプラント)
カテゴリ:Dr.鈴木日記 インプラント 歯科全般 静脈麻酔鎮静法
小学校の同級生(医師)のお母さん。その弟さんは東京で歯科医をされていますが、お母様の年齢と東京への通院などを考慮した上で私にインプラント手術の依頼がありました。
私の母は5年前に他界しましたが、実の母親を治療するような気持ちでこの大役を引き受けさせて頂きました。
CTでチェック。骨の損傷具合も確認します。
静脈麻酔鎮静のもと手術開始。被せ物を外すとCT画像で映されたままの状態が確認できました。
事前に綿密な治療計画を実地しています。
前歯ですので術後に仮歯を装着してもらいます。
大きな膿の袋が割れた歯根の先端に付着しており、大きな骨の欠損も認められました。
白線の部分が本来あるべき骨の部分です。
このタイミングでこれからインプラントの移植を続けて始めます。
本日使用予定のインプラント体をCGF(自己血液から製作したコラーゲン)に浸しておきます。
インプラント表面が、HA加工されているHi-Ossen(USA製)を選択しました。
完璧な位置にインプラントの移植が出来ました。
続けて人工の骨で骨の欠落部を補います。
次に患者様ご自身の骨を採取して、人工の骨の上にカバーしていきます。
自家&他家骨の移植施術も完了しました。
最後にCGFを圧縮したシートを何層も覆いカバーして、歯肉の厚みを確保します。
縫合完了。型取りまで4ヶ月待つ予定です。
静脈麻酔から目覚めたお母様に本日の手術内容を写真で説明したところ、ハンカチで顔を覆い大粒の涙。
その理由を尋ねてみると「インプラントの治療がこんなに大変やった事を初めて知りました。東京の息子もこんな仕事をしているんかと思うと‥」
手術後の涙は初めての事でしたので、この仕事の重大性を改めて感じました。
仮歯で4ヶ月過ごして頂きました。
昨年の12月から始まりました一連の施術が、今月無事に完了しました。経過も良好でなりよりです。
5月の母の日に息子さんからお花が届いた事を嬉しそうに語られていました。
私も母が生きている間にもっと沢山の親孝行をしておけばよかった…本当に羨ましい限りです。
私に出来る限りの全てを全集中して行ったつもりです。代役を任せて頂き、有難うございました。 鈴木雅智
3/15 (金) 前歯の根が割れても抜歯3ヶ月後に復活!(インプラント)
カテゴリ:Dr.鈴木日記 インプラント 歯科全般 静脈麻酔鎮静法 骨の最新再生医療
50代男性。奈良高校時代の同級生。主訴は「前歯が定期的にとれる。今回は噛むと多少痛かった。あと隣の犬歯もたまに腫れる時がある。」でした。
とれた歯の残された根を見ると、割れているのが確認出来ました。
レントゲンでチェックすると、よく腫れる犬歯の根の先には膿の袋が認められました。
犬歯の根の先:骨が腫瘍に侵され大きく欠損していました。
ヒビ割れの歯:ヒビ割れに沿って骨も溶けて無くなっていました。
話し合いの結果、割れた歯はインプラントを移植することに。腫れる犬歯は、根の先から膿だけを取り出す手術を2つ同時に行うことになりました。
抜歯を終え、続けてインプラントを移植しました。
左の犬歯:膿を徹底的に取り出す治療
抜歯あと: インプラント移植
骨の不足している所に人工の骨で埋め合わせをして行きます。
人工の骨を骨不足のインプラント周囲に添加しました。
続けて人工の骨を犬歯の根の先の大きな穴に詰めました。
CGFを圧縮して作ったコラーゲン(メンブレン膜)を院内で製造して、人工の骨の上に何層もカバーして行きます。
手術から2週間後状態。
無事にインプラントの歯が完成しました。
また隣の犬歯も経過良好です。
友達からのコメント:「いやいやインプラントをお前にしてもらって良かったよ。こんなに綺麗に治るとは思ってもいなかったし、最初は怖かったけど今は何でも違和感なく噛める。手術の寝ながらも楽やったし、値段も楽チンにしてもらってありがとうな。」
3/1(金) ずっと噛むと痛かった悩みの奥歯がスッキリ!(インプラント)
カテゴリ:Dr.鈴木日記 インプラント 静脈麻酔鎮静法 骨の最新再生医療
東大阪市の40代男性、自営業。主訴は「1年前から噛むと違和感があり、時々歯茎が腫れて、自分でも膿を潰す事も度々あった。セラミックの歯を入れてもらった通っている歯医者に診てもらうと、〈歯の掃除をして、消毒をして、薬を出しますのでこれで様子を見ましょう〉とのこと。本当に大丈夫?と思って青年団の友達の紹介でここに来た。」
早速、高画質の最新CT(側方断面)で画像をチェック。神経は綺麗にとってもらっている様ですので根の中の掃除は大丈夫です。腫れたのは睡眠時の食いしばりや歯ぎしりが原因かもしれません。膿が原因で根の先のレントゲン画像が黒く写る事はよくあります。しかし、膿が骨と歯茎を突き破って、表面に突出してくるのは症状は状態がひどい時ですので放置は良くないと思います。
高画質の最新CT(前方断面)より根を支える舌側の骨が全くないことが解ります。
出来るだけ歯を残したいところですが奥歯の場合、手術で膿の袋のみを完全に摘出するのは難しいです。再発や膿の拡大のリスクを考えると私なら抜歯が第一選択ではないか と思います。
「しっかり噛めなくて随分ストレスを抱えている。この際スッキリさせたい。」との希望で抜歯&インプラントの選択をされました。
静脈麻酔鎮静法(インプラント患者様は追加料金なし)で寝てもらった状態で抜歯を行いました。さらに膿の袋を時間をかけて徹底的に摘出するとCT画像通りの大きな穴になりました。この場所にいよいよインプラントを移植していきます。1日で全てを終わらせることにより治療期間が半年縮まり、嫌な手術も1回で済み、治療費(余分な追加料金)も抑えることが出来ます。
失った歯が早期に回復できるため、患者様には好評です。
インプラントの直径にも限界(メガジェン社の直径8㎜)があります。今回は手前の小さな抜歯跡を使ってインプラントを移植しました。
レントゲンで確認。理想的な位置に完璧なインプラント移植が完了。良好な結果が期待出来ます。
ここから採血の開始です。ロストした骨の部分に自己血液を使ってPRP再生療法(インプラント患者様は追加料金なし)を行います。骨の早期復元、歯肉の早期回復が狙いです。また術後の腫れや痛みをCGFが無しの時と比べて半減にしてくれます。
CGF(無添加フィブリン コラーゲン)を欠損した骨の穴に詰めていきます。これはドライソケットの予防にも役立ちます。
手術から3ヶ月後の状態です。型取りをこれから行なっていきます。
インプラント無事に完成しました。
【コメント】「最初、違和感はあったが直ぐに慣れた。前まで当たり前のように噛めていた奥歯の調子が悪くなり、食事のたびに
気になり悩んでいたけどやっと元の生活に戻れて嬉しい。歯で困っている人の気持ちが初めて分かった。手術もほとんど寝てて何も覚えていない。思っていたほど大変ではなかった。」
総額:約420,000円
※静脈麻酔点滴代、CGF(PRPコラーゲン)製作代は特に別途頂いておりません。
※当院のインプラントは全て10年保証です。
2/5(月)完結編:「R5/8月 真夏の熱いハード・インプラント連戦④」その後
カテゴリ:Dr.鈴木日記 インプラント 歯科全般
R5.8/8
R5.12/13
インプラントの移植と骨の造成を一日でやり遂げた後の4ヶ月後の状態。
完璧な仕上がりにスタッフ一同感動!
型取り直前の状態です。キレイに仕上がっています。
結局、患者さんの希望でそのまま完成まで当院でさせて頂きました。
噛み心地も全く関係なく、今では何でも美味しくいただいているそうです。
『以下は8/8に掲載したブログです』
R5 8/8 連載最後のインプラント手術。出身大学の知人からの依頼、尼崎市60代男性。
主訴は「インプラント手術を2年前にしたが、グラグラ揺れてスルッと抜けた。
患者さんの喉もと付近に麻酔(伝達麻酔)をすると咳が出てきて、手術中に動く模様。オペ時、咳をされる度にひどく揺れて、微妙に手元がズレた事が上手くいかかった原因の一つらしい。
『いつになったら骨が元に戻って、インプラントで噛めるようになりますか?』と詰め寄られて困っている。申し訳ないが、助けて欲しい。」でした。
患者様の承諾を得て石切での手術(当院では骨の再生とインプラント移植のみ、型取りは知人医院にて)が決定。
当院ではインプラント治療の方、全てに静脈沈静麻酔(平均5万円相当の追加料金なし)を行なっています。
※ アゴ骨を削る時のドリル音と振動が、身体の硬直と精神的苦痛を招く。それが1時間近くも続くのは私なら辛い)。
患者様には、「1回目の手術では骨の再生のみにとどまると思いますが、残存の骨を上手く使ってインプラント移植が出来れば骨の再生を同日に行います。そこは私に任せて下さい。」と説明。
私が手を掛ける時点でこの先、全てが自己責任。その覚悟を持って知人から頼まれた手術を引き受けました。
切開して直接現状をチェック。申し訳ないがインプラントを撤去しただけでは、骨は全く自然に増量していませんでした。
ちょうどその頃、知人Dr.が訴えていた「咳」が歯科用麻酔を注射した頃に始まりました。
耳に触るような大きな咳で患者様も大変そうです。
点滴に使う薬をコントロールしながら、インプラント移植の可否を探りました。
歯列のやや内側に長いインプラント芯を選択して移植しました。
このインプラント芯の表面には、新世の骨と結合しやすい工夫(ハイドロキシ・アパタイト加工)が施されています。
工夫されたインプラント芯をCGF(自己血液由来コラーゲン)に30分ほど浸透させて、インプラント芯と骨との定着を更に高めていきます。
無事に2本のインプラント(脱落部に1本、新たに1本。計2本の連結で丈夫にさせる)が入りました。
骨の移植直後や縫合時も咳のため体の動きに落ち着きが無かったため、写真は割愛(より完璧な手術を優先するため)しています。
スタッフ共々いつも以上に気の張る、困難な手術が無事に完了しました。
手術後の画像です。治療計画通りの完璧な結果です。「上手く行ったで。4ヶ月ほど待ってから型取りをしてよ。」と知人Dr.に伝えました。
〈後日の電話〉
「手術の事は、全く覚えていない(静脈麻酔沈静法の効果)。手術中に咳をしていたことも、途中でトイレに行ったことも覚えていない。非常に楽でした。ありがとうございました」との事。
暑い夏は続きますが、気合を入れて引き続きがんばります。
1/24(水)完結編:「R5/8月 真夏の熱いハード・インプラント連戦③」その後
カテゴリ:Dr.鈴木日記 インプラント 歯科全般
こんにちは。上記2枚の写真は、昨年8月掲載時のブログ画像です。歯根の周囲骨が腫瘍でやられ、大きく骨が陥没していた所に骨の造成術をR5.2月に施しました。その造成から半年後のR5.8月、インプラント手術後の画像がこの写真です。
当院のインプラント手術は「歯茎を切るのは1回だけ」つまり「1回法」という方式で99%行なっていますので、今回は異例となる「2回法」で行いました。
つまり、インプラントを移植した所の歯肉を完全に閉じ込めてしまう方式です。
女性で尚且つ骨質が硬いわけではなかったため、より慎重に進めていくために一旦全てを閉じさせて頂きました。
※歯科恐怖症の患者様でしたが、「点滴(静脈麻酔鎮静法)して寝かせてもらえるからいいよ!」と快く承諾を得ました。
〈NEW〉
ここからが、最新状況となります。
インプラントの手術から2ヶ月後、閉じていた歯肉をもう一度開け(2回法)移植したインプラントにジョイント部分を接合して歯肉から立ち上げる施術を行いました。
インプラントは骨にガッチリと固定していることも確認します。
2回目の手術から2ヶ月、型取りを行いました。
昨年の2月から始まり、約1年ほど月日を要しましたが、本日 無事に完成となりました。
ご主人は他の医院でインプラントをされたことがあるとお聞きしていました。
それに対し「主人の勧めを断り、鈴木先生にしてもらって本当に良かった。何よりスタッフさんの気配りと優しさに感動しています。娘達も最初は心配してやったけど、一緒に喜んでくれてやるのよ。」とおっしゃれていました。
Dr:「ありがとうございます。現在、スタッフ2人が産休と育休のためバタバタしています。スタッフ不足で行き届かない所も多々あったと思いますが、春からスタッフがまた戻ってきますので一層スタッフ共々これからも宜しくお願いします。」
『以下は8/8に掲載したブログです』
大阪市内の歯科恐怖症女性。グラグラしていた2連結の奥歯を騙し騙し使っていたが、とうとう脱落 (R5 1月)。
絶対入れ歯は嫌とのこと。
歯科の治療が何よりも怖い(座るだけで手汗)。常に静脈麻酔鎮静で寝ながら施術をしてくれる
医院を探していた。
抜歯とインプラントの同時移植を試みたが、あまりにも骨の欠落が大きいため、段階を得てまずは抜歯と上アゴ骨の造成再生(R5 2月)。
※ 上アゴの骨の増強手術をするとかなりの頻度で鼻血や鼻水が出やすくなるが時間の経過で症状は治ります。
最も安全な方法で骨の再生治療の準備を行います。
R5 8/3
骨の手術から半年後、インプラントの移植手術を行いました。
確実に骨の増量は認められました。後は経験で骨の硬い部分を選んで、最適な場所に最適な種類のインプラントを移植します。
無事に手術が完了しました。インプラントの周囲の骨を強化しておくことが最大のポイントでした。
〈次の日の様子〉:前回の抜歯(骨の再生手術)の時のように鼻血は出ませんでした。手術自体は、記憶が全くない位よく寝て楽にできました。とても感謝しています。
〈今後の予定〉骨の質が柔らかかった為、3ヶ月程空けてから型取りをする予定です。あともう少し!お疲れ様でした。
1/13(土) 完成編:「R5/8月 真夏の熱いハード・インプラント連戦②」その後
カテゴリ:Dr.鈴木日記 インプラント 歯科全般
1年前から始めたインプラント治療。上下左右の奥にインプラントを完成させた後、最後のインプラント前歯治療(R5.8/5)に取り掛かりました。
あれから5ヶ月後、いよいよ前歯の型取りをする日がやって来ました。
自然な前歯を醸し出すために、当院では前歯に関しては1本1本単独で前歯を作成します。
(通常、技巧的に楽に製作できる3連結の前歯が多いのですが、それでは自然な感じが損なわれやすい欠点があります。当院では手間暇かけて1本ずつ丁寧に製作したものを納めます。)
前歯の長さは、残した2本の長さを基調にしました。
患者さんは「まさか自分が若い頃のように入れ歯無しで何でも噛めるようになるとは夢にも思わなかった。前歯も綺麗になって嬉しくて本当に感謝しています。ちょっと疲れたのでしばらく休んでから右上のブリッジを綺麗にしたいです。」とのこと。
参考までに合計16本のインプラントが移植されています。
『以下は8/7に掲載ブログしたものです』
奈良より60代後半の女性。主訴は「友達の紹介です。半年前に入れ歯を作った。元々入れ歯の金具が掛かっていた前歯はグラグラしていたが、最近ひどくて入れ歯を使っていない。今回はインプラントを考えているが、前歯をきちんと対応してくれそうな先生を探していた」でした。
下の前歯が出っ歯なため、上の前歯にトラブルを生じさせています。
院内のCT画像で歯根の先端に亀裂が判明(側方)
前方からも亀裂線を確認
前歯同士の噛み合わせが強いとこのような事になります。
R5 8/5
抜歯した穴跡に1本、その他の前歯の部分に2本、計3本のインプラントの移植を行いました。
抜歯穴にインプラントを移植した箇所に骨の欠落部が生じますのでそれを補う施術も同時に行います。
3本のインプラントが上手く施術できています。
今回も静脈麻酔鎮静法を用いて手術の記憶がほぼ無い状態で行いました。
看護師さん泣かせの腕(必ず婦長登場)とお聞きしていたとおり、私も留置針の挿入に苦戦いたしましたが(むしろ手術の方がスムーズだったかな!?)なんとかルートを確保して、再生治療も上手く出来ました。どうもお疲れ様でした。
1/5(金) 完成編:「R5:8月 真夏の熱いハード・インプラント連戦①」その後
カテゴリ:Dr.鈴木日記 インプラント 歯科全般 静脈麻酔鎮静法 骨の最新再生医療
手術から3ヶ月が経ちました。いよいよ型取りです。患者様も楽しみです。
綺麗なセラミックの被せが入りました。
想像以上の完成にとても喜んで下さいました。
『以下は8/8に掲載ブログしたものです』
50代の京都市内男性。主訴は「 昔、石切に住んでいて治療をしてもらったことがある。 前歯の1本入れ歯(事故)を、京都の歯医者でインプラントにしようと思っている。
レントゲンを撮ったところ、隣の歯根の先に黒い影が見られたので、先に膿をとる手術を約1年前にした。
その手術をしてから、歯肉が凸凹になり、指で抑えると石が埋まっている様なゴロゴロ感がするようになった。院長は『問題ない』というが、いっこうに治らない。先生の連載ブログをかなり見て、覚悟して来た。」
当院のCT画像の結果、本来の歯根端切除術(歯科の専門用語)からかけ離れた①歯牙の取り残しと②人工的な大きな異物が詰められている事が判明しました。
歯肉の凸凹と石が埋まっている感はこれでは?と考えられました。
せっかく手術をしたのに治るどころか、膿の範囲の拡大が疑われます。
最悪の場合、抜歯を宣告されてもおかしくはありません。
CT画像を側面から見たところ。
患者様より、「京都でインプラントの契約や前払いをしていない。また当院で寝ながら静脈麻酔鎮静法をしながら、インプラントの手術と違和感の残る前歯の治療を同時にして頂きたい」等の要望がありましたので、お盆前に両処置を行いました。
R5 8/7 手術開始。
切開すると即、違和感の原因が判明しました。
歯肉の内側にはアマルガム金属(歯科用水銀)が豊満に充填されていました(石ではなかった)。
また根の先端の後背部(前面部だけが切削)から膿の塊も見つかりました。
時間をかけて違和感の原因と思われる全てのモノを取り除きました。
インプラントの手術は、ごく短時間で完了しました。
凸凹していた歯肉直下の骨の空洞部に、人工の骨(β-tcp)とコラーゲン(CGF)をMIXしたものを充填して、骨の再生を促しました(無料)。
人工の骨(β-tcp)とコラーゲン(CGF)。これらを使って骨の空洞の再生治療を行います。
コラーゲン(インプラント部の歯肉の増厚)と骨のMIXを充填して手術の終了です。
次の日の術後の電話では、「痛みも腫れも全くなく、痛み止め薬は全く飲んでいない。こんなに痛みがないとは思いもしなかった。嬉しすぎる」とのこと。
10月にはインプラント根にセラミックの白い歯が、早々に入る予定です。
※ 痛みは腫れは本当に個人差があります。痛みや腫れを抑える努力は誰にも負けないくらい実行しているつもりですが、それらを上回る体質の方が実在するのも現状です。早期回復を目指して常にがんばっています。
※ 他院の行った仕事に手を出すようなことは基本は致しません。後になって「どっちが悪い!誰の責任?」等のつまらないトラブルを避けるためです。
医療は患者と医者の信頼関係があってはじめて上手くいくものと考えています。その信頼関係が崩れていると感じた場合、私は手を引きますし、逆に私を信じてついて来て下さっている方には損得度返しでこちらが納得するまでトコトン時間をかけて寄り添います。
11/18(土) 結婚式が近いのにA R Eが苦手で(インプラント)
カテゴリ:Dr.鈴木日記 インプラント 歯科全般 静脈麻酔鎮静法 骨の最新再生医療
40代の男性。大手ゼネコン現場監督。主訴は「3ヶ月後に結婚式を控えている。とにかく歯医者の音と注射が大の苦手なので、ここまで放置していた。最近、歯茎に出来る白いニキビ(膿)を爪で潰す回数が増えてきた。俺の歯医者嫌いなどお構いなしに、嫁は「早く前歯、治して!」と責めるので辛い。うとうと寝ながらインプラントを常時している医院を本気で探しまくった。予算(自費負担なしの静脈麻酔)と経験豊富(HPの症例写真)を考慮して鈴木歯科医院に来た。」でした。
院内CTで診査診断。長年放置して割れた前歯の根の先に、大きな膿の袋(骨の欠落)を確認しました。
治療期間があまりありませんので、
①抜歯した日に、
②インプラントを移植して、
③骨を再生医療で作り上げる、
完成までの期間を短縮する手術の計画を立てました。
手術スタート。いきなり膿の袋のせいで大きく蝕んだ骨に遭遇。ただし事前にCT画像で骨の状態をしっかり把握していましたので、焦ることなく手術はスムーズに進行しました。
患者様の血液を使って、院内でCGFコラーゲンや歯肉の上皮を製作します。また、骨の補強で使う人工骨(粉々で扱いにくい)をCGF(コラーゲンのグミ状の塊)
と混ぜて一塊に、操作性を良くした物も用意しました。
骨に癒着した腫瘍の塊を徹底的に排除した後、インプラントを最適な角度&位置に移植出来ました。
最後に人工骨を骨の欠損部に充填し、それをコラーゲン膜(CGFを圧縮)で患部に覆い被せて、切った歯肉を元通りに縫い合わせたところで終了です。
手術から3ヶ月後。型取り直前の状態です。
前歯2本をインプラントとオールセラミック(Drの手作り)をセットした状態です。
患者さんも大満足。奥様もわざわざお礼に来て下さいました。
費用はインプラントの1本分のみ(約¥410,000)です。インプラントの隣のオールセラミックは、結婚祝いということで、¥マル円(気持ち)です。
歯医者嫌いの患者さんでしたが、寝ながらの治療(静脈麻酔鎮静)のお陰で大手術も乗り越え、今では毎月メンテナンス掃除まで来て下さるようになりました。
このような方が、1人でも増えることが私のやり甲斐です。