30代の男性美容師。主訴は「コロナの時期に今の職場に入社したのでマスクを1度も外したことがない。
ところが年末に忘年会がある。口が恥ずかしくて欠席したいが、自分は年間売上No,1で社長から表彰もあるので休めない。マスクを外したらどうなるのか考えたらメッチャ怖い。
ネットで調べまくって、口コミ（悪口）も全部読んでここに来た。
子供の時に麻酔が効かないまま無理矢理やられた事があってトラウマになった。クソ大嫌いな下手くそ歯医者のせいで、あれから一度も治療に行ったことが無い。先生、ひと月で前歯だけでも入れれます？」でした。

Dr:「悪い歯を全部抜いて、入れ歯を作ってしまえば簡単に治せるけど、少しでも残せる可能性のある歯はやっぱり残してあげたい。そうなると、かなりの時間が必要です。 昼休みの2時間、夜７時からの２時間。週３回どこかで来れます？それを１ヶ月続けて来れたらなんとかやって見せます。

患者さんもがんばりますと言うことで治療が始まりました。
神経を抜いて歯を残すところ、抜歯は避けれないところなど、麻酔が必要な時は静脈麻酔鎮静法を使って「痛くなく、怖くない」 メリハリのある治療を進めていく計画を立てました。

抜歯をせずに残せるところは、歯の根の治療をしてどんどん残していきます。

技工士さんに残した歯根に必要な金属の土台芯を作ってもらって、その芯の上に白い被せ物を入れる準備が整いました。

本日は完成品を全て納める日です。治療が始まってから約１ヶ月、前歯の白い被せ物と上下の入れ歯を装着しました。
患者さん：「うっわ！すげ〜！ちょっと喋りにくいのが気になるけど、これなら全然マスク外せるわ〜。先生、ほんまにありがとうございます。正直、日が無いから『無理』って断られると思ってた。ウチの嫁もビックリすると思う。」

Dr:「評価口コミ星★１個でしたか？」とニヤリの問いかけに、
患者さん「いやいや先生そんなん★５個でも足りませんよ(笑)」とのことでした。
この患者様は一度たりともドタキャンや前日のアポ変更などもなく、1３回の治療全てにきっちりついて来て下さいました。
このような方は何故か不思議と上手くいきます。
きっと良い仕事をするのに必要なリズムと流れを作って下さっていると思います。
歯の治療は信頼関係に尽きます。
この度は良い仕事をさせて頂き、こちらこそ感謝です。約束守ってくれてありがとう。
※全て保険の範囲内です。