京都・宇治市より20代の社会人さん。主訴は「長く矯正をしているが、難航している。親知らずの抜歯は矯正終了時でOK!ということだったのに、矯正医より抜歯を求められた。ネットで鈴木歯科を見つけた。是非お願いしたいです。」
正直、お断りしたい画像です。親知らずどころか1本手前の歯も歯肉に半分覆われていますし、口も大きく開けにくそうです。
CTで見た限りのリスクを全てを受け入れるという事でしたので、抜歯を引き受けることにしました。今回はまず右下(向かって左)から行ないます。
静脈麻酔鎮静のもと、抜歯が始りました。CTで事前に埋もれ方を把握していますので、すいすい施術を進めていきます。
覆われた骨を削っていくと、親知らずの頭半分が見えて来ました。ここまで僅か15分程です。
頭半分を摘出して残りの部分の摘出に取り掛かった途端に、大量の出血が。
アゴ骨内の血管を触った模様です(偶発)。
血液が脈拍に合わせて大量に溢れ出てきます。
親知らず周辺は赤い血で染まり、抜歯どころではありません。
肝心の患者さんは静脈麻酔でぐっすり眠られています。
抜歯後に使用するCGF(自己血液由来コラーゲン)が出来上がるまであと5分ほど必要です。それまでは新しいガーゼを交換して、圧迫止血を続けるのみです。
時間が長く感じます。
出来上がったCGFを出血部に挿入する準備が整いました。
コラーゲンCGFを出血部に挿入します。
挿入後、今までの大量出血がウソのようにピタッと止血しました。ようやく冷静になり、そこで自信の脈拍も早いのが分かります。
親知らずにしては3根もあり湾曲したイビツな抜歯が完了しました。
止血にCGFを使用したので、再度採血し直して、新たに大量のCGFを抜いた後の穴に充填しました。
1週間後、消毒に来て下さいましたが、昨日くらいから口も開けれるようになり、食事もしやすくなったとのことでした。
相談に行った歯医者が全て口を揃えて『メチャクチャ難しくて大変やから抜歯せんとこのまま矯正続けた方が身のため』と言われていたが、意外と楽に出来ました。また反対側も御願いします。」とのこと。
私の寿命が縮まった出来事を伝えたところ、ビックリして笑っておられました。
元気・やる気・Dr.鈴木のコラム
2024/9/25
9/25(水)抜歯中の大量出血 足がすくむが止めなければ(親知らず)