30代の市内の歯科衛生士さん。「20代で奥歯を無くして以来そのまま。前の勤務先でCTを撮ったら骨が薄くてインプラントは難しいと言われた。今の勤務先では簡単なインプラントしかやってないので…。奥歯が無いのは仕事柄、コンプレックス。鈴木先生の症例コラムは以前から見ている。なんとか出来ますか?」
「確かに骨幅は狭いですね。現状のままではインプラントは厳しいので、まずは確実に骨幅を増幅させる所から始めましょうか?」
薄い歯槽骨に1㎜ほどのスレッド(隙間)を設けて、専用のジグでゆっくりゆっくり骨の幅を広げていきます。
イメージは割り箸を力加減を考慮して少しずつ割いていく感じです。
骨が真っ2つに割れることなく、上手く骨幅を拡大させることが出来ました。(この作業がもっとも難関)
コラーゲンで固めた人工骨を広げた隙間の中にギッチリと入れていきます。なかなか大変な細かい作業が続きます。
イメージしていたとおり、上手く骨幅を増大させることが出来ました。
自己血液で作ったCGF(コラーゲン)シートを人工骨の上に何層も敷いて骨の定着を図ります。
7ヶ月後、人工の骨は本物の骨に置換して、カチカチに仕上がっていました。
インプラント移植成功。ギリギリの骨幅の中にインプラントを移植したのとは異なり、インプラントの周囲には骨が余っています。
「インプラントの位置、歯の大きさ、舌感、磨きやすさ、配色、型取りの方法、プロビ(仮歯)のこだわり、どれをとっても一つ一つ丁寧過ぎるくらい丁寧で本当に勉強になりました。インプラントを経験することで、仕事にも良い影響が出ています。本当にありがとうございました。」
私の所に尋ねに来たDr.や衛生士さんには、包み隠さず持てる技術を総て解放していますので、これからも知りたい事があったら遠慮なくお尋ね下さい。改めて良かったね。
元気・やる気・Dr.鈴木のコラム
2024/8/28
8/28(水)下アゴの骨幅が無く諦めていた歯科衛生士さん(インプラント)