滋賀県野洲市より50代の男性。主訴は「右下の親知らずを10年ほど前に抜いた時、1時間ほど経っても全く抜けず、これ以上アゴを開けられない為「もう止めて下さい!」と叫んでいるのに無理やり抜かれた。その後、高熱と酷い腫れで2週間ほどまともな食事が出来ず、ドライソケット様な症状が始まり、抗生剤を1ヶ月間も飲み続けた。ところが最近になって左下の親知らずが痛み出したので、あの時の恐ろしい記憶がよみがえり、ネットで必死に探しまくってココを見つけた。鈴木歯科医院のHP内の抜歯症例は全部見た。鈴木先生なら任せられそうだった。」
JR滋賀、京都、奈良および近鉄電車を乗り継ぎ、遠路はるばる有難うございます。特に難しい抜歯ではなさそうなので、心配ないですよ。いつも通り、点滴で寝てもらいながら、抜歯後にはドライソケット予防の自己血液コラーゲンCGFを入れて穴を封鎖して終わらせます。
抜歯開始。歯冠を切断分割して半分抜歯。残りの歯根はアゴ骨で覆われているため、出口を広げるために骨切りを開始。
すると骨面から湧くようにドクドク、ジワジワと骨内出血が起こりました。
視野が多量の出血で埋まり、出血点が把握出来ません。この手の出血は常に想定内ですが、やはり肝が冷えます。
ガーゼ圧迫をしばらく続けますが治まりませんでした。
血管収縮作用のある局所麻酔液を数本入れてから、予め用意していた採血から作ったフィブリンコラーゲンCGFを止血剤として溢れる血の中に挿入します。あとはガーゼで強圧迫して止血を冷静に待ちます。
CGFの止血効果は絶大です。ものの5分程で止血は完了しました。やっと治療の再開ですが、今度はなかなか硬くてスムーズに抜けません。すると「パキッ!!」と嫌な音がしました。
苦労は続くものです。
歯根の先が折れてしまい、アゴ骨の奥底に残した状態で歯が抜けました。
めげずに残された歯根の先端を取りにいきました。
無事に摘出。
歯根の先がくの字に折れ曲がっていたため骨に引っかかり、なかなか動かず抵抗していたようです。
その日の夜、電話をかけて経過を伺うと「痛みは薬で治っています。何にも覚えていません。ほんと楽に終わって感動しています」とのこと。それから1週間後、消毒と抜糸で来られた時、撮った写真を総て見せて出血の件と取り残した歯根の話しをすると、大変な抜歯であったにも関わらず何も覚えていない事に大喜びされていました。
ドライソケットを発症することなく経過良好です。
「鈴木先生に抜いてもらってなかなか良かったぞ!」と話題にしてもらえるような抜歯をすることが、私の真意です。
このドリーム抜歯の準備と後片付けをしてくれるスタッフには感謝しかありません。
元気・やる気・Dr.鈴木のコラム
2026/2/8
2 / 5(木) 抜歯中の予期せぬ大量出血に即効性CGF使用(ドリーム抜歯)











