ご高齢の患者さま。主訴は「下の入れ歯はまだ我慢できるが、上の入れ歯は喋りにくいし、噛みにくい。年が年だけど、インプラントをして欲しい。」でした。ただし、
骨の厚みはかなり少ないため、人工的に骨の厚みを増加させながらの手術になること、血圧も高いため点滴をしながらの手術になることを伝えました。また、嚥下障害(えづき)と開口障害(口が大きく開かない)をかかえているため、インプラントを入れる本数や間隔などは制限されました。
※手技は、ダブルベント法を行っています。
※点滴の中にリラックスするお薬を入れて(静脈内鎮静法)恐さを軽減させています。
傷口を早期に回復させるため、ご自身の採血した血液を遠心分離機にかけて傷口の回復を促進させる成分(CGFとAFG)を抽出します。
上あご奥のご自身の骨と人工の骨(β-TCP)を混合したものを、骨の厚みを増やしたい所に充填していきます。
※当院では、動物由来の骨は使用していません。
3㍉ほどの厚みの骨を10㍉ほどまでアップさせた(テント様)位置(=左点線)に、インプラントを入れました。次の日のゴルフも腫れや痛みは殆どなく、快適なラウンドだったそうです。また、手術中の恐さは全くなく、術後の確認レントゲンを見るまでは何をしていたのか殆ど覚えていなかった(健忘感)とのこと。
本日の消毒では「今年一番のメモリアルだったよ!」と大笑い。本当に良かった、良かった。
※静脈内鎮静法の効果には個人差がございます。
元気・やる気・Dr.鈴木のコラム
2016/12/12
高齢者のインプラント治療に静脈ルート確保