遠方より20代の患者様。主訴は「下の親知らずをなんとかしたいが、とにかく歯の治療が恐くて恐くて仕方がない。できれば、内側にはみ出した上の歯もなんとかしたい。」でした。
※過去の点滴では脈が見えにくく、“上手くいかなかった事の方が多い”とのこと。
下の奥歯は内側に傾き、舌は歯ぎしり痕が残るほどの大きな舌です。CT撮影の結果、歯の根の先が、釣り針のように折れ曲がっていることが判明。想像以上に難しい抜歯になると予測。
このまま抜歯を続けると、根の先が折れるのでは!?と指先の感覚と検討しながらの抜歯でしたが、無事に抜く事ができました。
水色の点線：内側にはみ出した歯
黒色の点線：再び虫歯になってしまった歯
Dr:「この内側にはみ出した歯を抜歯しても噛み合わせには影響しません（下の歯と全く噛み合されたいないため）。むしろ、隣接する歯を虫歯や歯周病にさせるため、抜歯した方がいいと思います。」という事で上の歯も抜歯することになりました。
抜歯と同時に、隣接する歯の虫歯治療も行う予定（３カ所目）。
水色の点線：内側にはみ出した歯
黒色の点線：再び虫歯になってしまった歯
下の親知らずの抜歯以上に時間のかかる抜歯となりました。 ３方に歯があるため、不要な力をかけ過ぎると、周囲の歯も脱臼しグラグラにさせてしまう可能性があります。このようなケースでは、拡大鏡ルーペを使用しながら、抜歯時のわずかな動きを凝視しながら、慎重に慎重に抜歯を進めていくことがポイントとなります。
かつて経験した事のないような、くねって細長い奥歯。よく折れずに抜けてくれました！ 静脈麻酔鎮静中でリラックスモードにしているにも関わらず、思わず患者様から「先生、下の歯より時間かかりましたね」と笑いのひと言が…。
休む間もなく、必要最小限の虫歯の部分を削り取った後は、早速セレックを使って口の中の画像を読み込み、PCで歯の形を設計した後、削り出しの器械を使って被せ物の歯を２個製作。ひとつは仮歯（無料）用に。もう一つは、100％セラミック素材で白い歯を作る用。次回までに、オールセラミックの色付けとツヤだしをして仕上げておきます。
黒色の点線：再び虫歯になってしまった歯
虫歯の治療を始めてから、僅か１時間後には被せ物の歯の完成（仮歯）。 歯科界にもCAD/CAMデジタルの時代が本格的に参入してきたことを証明できる治療です。
当院では点滴（静脈麻酔鎮静）と最先端医療器機セレックを使用して患者様に少しでも恐くなく、リラックスして、最短の期間と回数で快適な歯科治療をお届けできることを理念に掲げ、診察をおこなっています。