これは一般的なパノラマX線画像です。この画像だけでは、歯周病の進行状態を正しく把握する事は出来ません。
【高性能CT:外側】
ほっぺた側からの診査では黄色点線の歯の周りに骨はまだ残っていますが、
これだけで「ブルラジ出番!」とハヤトチリしてはNGです。
【高性能CT:内側】
同じ歯でも内側から見ると歯根を包み込むように骨全体が溶けています。(歯根のう胞)
歯根のウミが骨壁を破って上顎洞内に流出(上顎洞炎:歯から産出されるウミが原因となって蓄膿となる病気)。
こうなると、ブルラジでも歯を残せません。申し訳ないですが、抜歯が必要です。
これが腫瘍の実像です。だまし騙し残していると、抜歯後には大きくアゴ骨が陥没して、後の食生活に影響します。
同じ方でも歯肉ポケットが7㎜の犬歯(上下)はブルラジの対象となる歯ですので、効果の持続が期待できます。
ここまでが当院での診査・診断となります。
【ブルラジへの流れ】
①歯肉ポケットの深さを測定します。
②チクッと痛みますが頑張ってください。
この深さでブルラジの必要・不必要をCT画像と照らし合わせて決定します。
③麻酔を入れて(すいません)ポケット内を徹底的にクリーニングしていきます(保険適用)。
④衛生士さんが歯肉ポケット内の歯根に付着した歯石を取り除いて根面を滑らかにします。
(保険適用)
⑤仕上げに超音波振動器で水洗いをしながら、ポケット内の汚れを一掃します。(保険適用)
ここまでが保険で可能な基本治療となります。
⑥いよいよ最後の仕上げにブラーラジカルが登場します。過酸化水素薬液と青色レーザーを兼ね備えた最新器具を使用して歯周病菌をポケット内から排除します。
かなり効果が出ていることを日々感じています。
元気・やる気・Dr.鈴木のコラム
2024/9/1
【ブルーラジカルの流れ】治療の適正な場所を診断:重い歯周病(効果あり)VS 歯根のう胞⇄膿の塊あり(ブルーラジカル出番なし)