小学校の同級生(医師)のお母さん。その弟さんは東京で歯科医をされていますが、お母様の年齢と東京への通院などを考慮した上で私にインプラント手術の依頼がありました。
私の母は5年前に他界しましたが、実の母親を治療するような気持ちでこの大役を引き受けさせて頂きました。
CTでチェック。骨の損傷具合も確認します。
静脈麻酔鎮静のもと手術開始。被せ物を外すとCT画像で映されたままの状態が確認できました。
事前に綿密な治療計画を実地しています。
前歯ですので術後に仮歯を装着してもらいます。
大きな膿の袋が割れた歯根の先端に付着しており、大きな骨の欠損も認められました。
白線の部分が本来あるべき骨の部分です。
このタイミングでこれからインプラントの移植を続けて始めます。
本日使用予定のインプラント体をCGF(自己血液から製作したコラーゲン)に浸しておきます。
インプラント表面が、HA加工されているHi-Ossen(USA製)を選択しました。
完璧な位置にインプラントの移植が出来ました。
続けて人工の骨で骨の欠落部を補います。
次に患者様ご自身の骨を採取して、人工の骨の上にカバーしていきます。
自家&他家骨の移植施術も完了しました。
最後にCGFを圧縮したシートを何層も覆いカバーして、歯肉の厚みを確保します。
縫合完了。型取りまで4ヶ月待つ予定です。
静脈麻酔から目覚めたお母様に本日の手術内容を写真で説明したところ、ハンカチで顔を覆い大粒の涙。
その理由を尋ねてみると「インプラントの治療がこんなに大変やった事を初めて知りました。東京の息子もこんな仕事をしているんかと思うと‥」
手術後の涙は初めての事でしたので、この仕事の重大性を改めて感じました。
仮歯で4ヶ月過ごして頂きました。
昨年の12月から始まりました一連の施術が、今月無事に完了しました。経過も良好でなりよりです。
5月の母の日に息子さんからお花が届いた事を嬉しそうに語られていました。
私も母が生きている間にもっと沢山の親孝行をしておけばよかった…本当に羨ましい限りです。
私に出来る限りの全てを全集中して行ったつもりです。代役を任せて頂き、有難うございました。 鈴木雅智
元気・やる気・Dr.鈴木のコラム
2024/6/15
6/15(土)術後の涙 幾つになっても息子は息子(インプラント)