芦屋市から30代の女性とお母様。主訴は「近所の歯医者で『簡単に抜けますよ!』と言われたので親知らずを抜いてもらうことになった。しかし、1時間以上経ってもいっこうに抜けそうな気配もなく、担当医が益々ムキになって力ずくで抜こうとしていたため、アゴ関節の痛みと恐怖のため、涙ながらに中止を求めた。
すると『 隣の歯も悪くなっているので2本同時に抜歯をさせてほしい』 と言ってきた。
抜歯前にそのような説明は一切なく、理由を求めたが『隣の歯根も虫歯になっているので残せない』との一点張り。その後、他院で中断した状態を調べてもらうと『親知らずの抜歯の時に、隣の歯の根を間違って削り飛ばしたのでは?』との事。
合計4カ所の歯医者を回ったが、すべて『残せない。抜歯になる』と言われた。
ホームページで鈴木歯科医院を知った。
現在、弁護士さんに相談して医療訴訟準備中とのこと。
当院の最新CTで問題の場所を撮影しました。
私見ですが、確かに横向きに生えている親知らずの頭を切断した時に、誤って隣の歯根に切削器具が触れたような映像ですね。
親知らずの抜歯は、暗くて非常に見えづらいエリアでの施術ですので、 慎重に慎重を重ねて取り組まなければこのような事態になってもおかしくはありません。
結論から申しますと、やはり 親知らずと一緒に隣の歯も抜歯の必要性があると思います。
しかし、どうしても残したいとおっしゃられるのなら、残す方向でやれるだけのことはやります。
後日、 静脈麻酔鎮静法を行いながら 親知らずの抜歯と隣の歯の神経を抜く施術に取り掛かりました。
親知らずの歯はスムーズに抜歯できました。
手根がかなり肥大している親知らずは、時間を要する難しい抜歯になることが多いです。
芦屋の先生もかなり苦労したのではないでしょうか?
抜歯後の早期回復を目指して、自己血由来のコラーゲンの塊を用いて抜歯穴を保護しました。
これによって抜歯後のドライソケット防ぐことができます。
抜歯を行ってから1ヶ月半後の状態です。何とか親知らずの隣の歯を 残すことが出来ました。
患者さんの悲しみの涙、 怒りの涙は苦手です。
毎回お母さんと一緒に来れれていて重責を感じていました。
しかし最終日、無事に銀歯が入った時は感動の涙でずいぶん喜んでくださいました。(もちろん裁判はなし)
いつまで使えるのかは私にも分かりませんが、今出来るベストの治療を行ったつもりです。
遠方よりお疲れ様でした。
※治療費:全て保険で行っています。
元気・やる気・Dr.鈴木のコラム
2023/3/18
3/3 注意?スキル?親知らず訴訟を感動の涙へ