元気・やる気・Dr.鈴木のコラム

 2019/1/25 

上顎の天井裏を人工骨で埋立て 破壊ブリッジの再建
カテゴリ:Dr.鈴木日記 インプラント 

東大阪 インプラント 静脈麻酔鎮静法付き  50代の女性。主訴は「先月、他院で入れてもらった左上のブリッジが噛むと痛い。最近、奥が腫れてきたので調べて欲しい。」でした。
そこで、装着していたブリッジを外し、奥歯を歯科用CTでチェックさせてもらうと、グラつく歯の根の周りが大きな膿みの袋で覆われていることが判明しました。
患者様には抜歯の必要性抜歯後の入れ歯(保険)を説明しました。
また、上顎の骨は、厚みも、高さも、何もかも失われれている状態「残念ながらインプラントは不向き」であることもお伝えした。

永年のブリッジで負担過多 亀裂 ヒビ しかし、「入れ歯は出来るなら避けたい!」
とのことでした。
再考した結果、まず抜歯予定の奥歯の周辺に、骨を人工的に造成して、インプラント施術が行える環境にチェンジ(サイナスリフト)してみる事にしました。
R…細みのインプラントサイズ予定
W…太めのインプラントサイズ予定

静脈麻酔鎮静法で上顎の中に骨作り 静脈麻酔鎮静法のもと、上顎の天井裏の部屋(上顎洞)に人工の骨を埋め立てる施術に取り掛かりました。

2㎜幅の細くて薄い骨質 歯科用CTで予測していたとおり、かなり痩せ細ったアゴ骨をしていました。
このままでは、インンプラントの移植は不可能です。
安心 安全 無添加の自己血液由来 フィブリノーゲン 自己血液を使って、フィブリンの塊(CGF)を院内で作成します。
この成分は、単に患部の痛みや腫れを抑えるだけでなく、人工的な骨の造成を手助けをしてくれます。かなり頼りになる逸材です。

安心 安全 無添加の自己血液由来 フィブリノーゲン 動物由来でない人工骨(β-tcp)にCGFを混ぜることで、粉々から一塊に変わります。
かなり、操作性が良くなります。
安心 安全 無添加の自己血液由来 フィブリノーゲン 人工骨がバラバラではないため、かなりまとまった状態で天井裏に骨を移行させることが可能となります。

上顎の中に人工骨を入れて骨量を造成 天井裏への作業は、歯茎のサイドから行います。

安心 安全 無添加の自己血液由来 フィブリノーゲン 人工骨の埋立てが完了すれば、CGFを圧接して膜に作り変え、「カバー」として歯茎を覆い、最後は縫って閉じます。

安心 安全 無添加の自己血液由来 フィブリノーゲン 側面から観たCT画像断面

安心 安全 無添加の自己血液由来 フィブリノーゲン 正面から観たCT画像断面

安心 安全 無添加の自己血液由来 フィブリノーゲン 頭上から観たCT断層写真

インプラント移植までの半年間は、抜歯をせずに「仮歯」として保存しておきます。予測では、埋立てた人工骨の体積が半分まで圧縮すると考えていますので、その状態に近づけば、奥歯を抜歯して、同時にインプラントの移植(3本)を行います。上手くいけば、骨作りから始まり、約11ヶ月後にはインプラントの歯で噛める予定です。
当院では、上顎洞の空間を人工の骨で造設して、インプラントが移植できる環境に代える施術を常時行っています。
「骨作り」はあくまで、「自分の歯で美味しく噛んで頂くための準備の一環」と私は考えています。
※費用:180,000円(材料費、静脈麻酔鎮静法、CGF製造すべて込み)