大阪出身の女子プロゴルファー来院。主訴は「先週、治療を終えたばかりなのに痛みが治まらない。来週から沖縄でツアーが始まる。なんとか痛みを無くして欲しい。」でした。レントゲンでチェックすると、奥の親知らずから4本連続で虫歯が残ったままでした。
左絵は、お口の中の状態を確認したところです。
奥には手盛りで「粗雑な詰め方」をした白い歯と虫歯の穴で崩壊した親知らずの歯がありました。
女性のお口は小さいため、奥歯は特に虫歯になりやすく、治療も困難になる事が多いです。
また、親知らずが横向きに生えてきて虫歯になることが多くあります。そのため、隣りの歯に虫歯が移ることは頻繁にあるとはいえ…。
粗雑な詰め物を外すと、その奥には大きな虫歯の親知らずが、はっきりと現れました。
周囲の歯茎は、赤く炎症しており、歯肉からは出血してきました。ツアーの過密スケジュールは、秋まで続きます。親知らずの歯をどのタイミングで抜歯するべきか悩みました。
3月から始まる沖縄でのツアー開幕戦で、「抜歯後の痛みを引きずるかもしれない」事を差し引きしたうえで、「親知らずは抜歯」「その手前の歯(3本)は、冷たい物にしみにくいオールセラミックの詰め物を装着する」ことに決まりました。
親知らずを抜歯した後、残された虫歯の部分をきちんと取り除き、セレックを使って歯の情報をコンピューターに取り入れます。この情報を
セラミックブロックを削り出す器械に送信すれば、スタート開始から10分後に出来上がります。
さらに、出来上がったセラミックの詰め物を600℃の釜に入れ、ツヤ出しをすれば完成です。
急患の患者様だったため、本日の親知らずの抜歯は、静脈麻酔鎮静法を兼用せず、通法の局部麻酔のみで行いました。
抜歯後の虫歯の部分に、セラミックを詰める治療も約1時間後には終了しました。
次は、奥から2番目の虫歯の治療です。セレックを使って歯の情報をコンピューターに取り入れました。この情報を
セラミックブロックを削り出す器械に送れば、スタート開始から15分後に出来上がります。
さらに、出来上がったセラミックの詰め物を600℃の釜に入れ、ツヤ出しすれば完成です。
さらに、奥から3番目の虫歯の治療も同様に仕上げていきました。
初診時から約4時間後、横向きの親知らずの抜歯と奥歯3本のセラミック修復すべてを僅か一日で終了させました。
関西でも4月吉川、5月奈良、6月神戸でツアーが開催されます。優勝を目指して頑張ってください。スタッフ一同応援しています!
〈その後の経過報告〉
「抜歯後の痛みは少しあるが、痛み止め薬を飲まずに、日に日に良くなってきている」とのことでした。
元気・やる気・Dr.鈴木のコラム
2017/2/25
ツアー開幕プロゴルファーがピンチ!?